人口流入の要因

4月12日に総務省が「人口推計」を公表しました。日本の総人口は1億2435万人で前年に比べ59万5000人の減少、12年連続で減少幅が拡大しているとのことです。

都道府県別で人口が増加しているのは東京都だけで、市区町村別でも首都圏以外で人口が増加している自治体は全体の1割もありません。1位は長野県御代田町、軽井沢に隣接する町です。コロナ禍以降、リモートワークの普及によって富裕層の移住が増えています。2位は熊本県嘉島町、熊本県では菊陽町が12位・益城町が17位にランクインしています。菊陽町は半導体ファウンドリー世界最大手、台湾TSMCの熊本工場が完成し、第2工場の建設も発表されました。

1980年代まで日本の半導体産業は、世界をリードしていました。しかしながら、アメリカの圧力と大型コンピューターからパソコンへの需要の変化に対応できなかったことにより、現在では、半導体の日本のシェアは10%以下まで低下しています。ところが近年は米中貿易摩擦や経済安全保障の観点から、半導体産業の国内回帰が高まっており、政府も「日の丸半導体の復活」を掲げ、補助金などで後押しをしています。

熊本以外にも北海道千歳市に国が出資する半導体新会社ラビダスの工場建設が発表されました。工場建設は新たな雇用を生み、人口流入が進めばサービス業が成長して地域が活性化する可能性があります。熊本のTSMC第1工場では約2000人を雇用、今後新設する第2工場でも1700人を雇用するとの報道もありました。地元企業の人材獲得競争が激化して賃金上昇による経営への圧迫など負の側面もありますが、全国展開する飲食チェーン店やホテルが進出し、マンション建設が始まるなど町全体が大きく変化しています。他県や海外からの採用を増やしておりTSMCだけではなく、他の産業も人口増加の要因となっています。

人口減少が続く日本であっても、仕事があるところには人が集まります。我々、人材ビジネス企業は仕事を創造する、社会にとって重要な役割を担っているという誇りを持ち日々、業務にあたりたいと思います。

日本リック株式会社
代表取締役 日高一隆

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