共助

夏季休暇に友人と、軽井沢へゴルフを兼ねた旅行に行ってきました。近年8月は自粛続きでしたが、3年振りに行動制限のない夏休みとなった今年は、多くの旅行者で賑わっていました。軽井沢町は日本有数の避暑地で、大規模なリゾート観光施設も多数あり、人材ビジネス従事者の視点で「かなりの人達がサービス業で勤務しているだろうな」と考えてしまいます。実際に軽井沢町が発表している「人口ビジョン」によると、産業別就業者は第3次産業、特に宿泊業・飲食サービス業が国の平均よりも圧倒的に多い数字になっています。

一般的にサービス業は、雇用の7割程度を占める重要な産業ではあるものの、慢性的な人手不足を抱えています。肉体的に負荷のかかる仕事が多く、深夜勤務や不規則なシフト勤務など業界特有の労働環境により長期的に仕事を続けることが難しく、結果的に離職率が高止まりして、労働力が圧倒的に足りない業界となっています。

人手不足の業界とはいえ、軽井沢の場合は、宿泊業・飲食業を開業している人達や、就業するために域外から通勤・移住する人達が大勢います。本人達が、積極的に生涯サービス業で就業し続けているのです。また、感心するのがコミュニティーと共助の精神です。高級老舗ホテルのフランス料理マネージャーは、時間が空くとレンタカー屋を手伝ったり、閑散期になると後輩を集めて別荘管理をしています。行きつけのバーのマスターも、5月のゴールデンウィークや8月には毎年、複数の飲食店でパート勤務を掛け持ちで行い、お互いの店主が私達のような旅行者を紹介しあっています。ご紹介いただいたお店に伺うと、思わぬサービスがあったりするので喜んで利用しています。

宿泊・飲食業は日や週、観光地の場合は季節によって繁閑の差が大きくなります。硬直的な人員配置では、閑散期はコスト過多になり、少ないと機会損失やサービスの低下となります。この構造的問題を、お互いが労働力を補完しあって解決しています。更には都市部では、希薄となった人間同士の繋がりを地域コミュニティーが補完して、メンタル面にも良い影響があるように思います。

軽井沢は年数回訪れていますが、久しぶりに地元の人達に活気が戻ってきていました。働く人達と明るく前向きに話していると、知らず知らず、滞在時間が長くなり、余計な散財をしてしまいました。職場の雰囲気が良いと周囲の人達にもそれが伝わるということなのでしょう。

日本リック株式会社
代表取締役 日高一隆

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