辞任ドミノ

今週発表された報道各社の世論調査によると、岸田文雄首相率いる内閣の支持率が全て30%台に落ち込みました。発足以来最低を記録し、国民の信頼が揺らいでいます。昨年10月の衆院選と今年7月の参院選に勝利した当時は高支持率を維持したものの、この1ヶ月で山際経済再生担当相・葉梨法務相・寺田総務相と3人の閣僚が相次いで辞任。先週は秋葉復興相の公職選挙法違反の報道もあり、政権運営に大きなダメージを与えています。

既に辞任した3者は異なる事案で辞任をしましたが、全く同じパターンで辞表を提出したように思います。問題が発覚してから、世論が「首相の任命責任」や「罷免」「更迭」と騒がれる中、閣僚をかばう姿勢を見せ、「議員として丁寧な説明をして貰う」と言い続け、その都度「判断が遅い」との非難を繰り返し受けてきました。

岸田首相は自民党宏池会・岸田派の会長です。自民党内では、さほど大きな勢力ではありません。国会議員713名の中で、自民党内のリベラル派として思想を同じくする者47名が定期的に例会で顔を合わせていれば、良くも悪くも身内意識は高まるのではないでしょうか。

葉梨元大臣・寺田元大臣は3名しかいない岸田派の閣僚でした。山際元大臣は麻生派ですが、会長の麻生太郎氏は副総裁として岸田首相を支えつつも後見人的な立場でもあります。岸田首相は、岸田派寺田氏の後任に麻生派の松本剛明氏を総務大臣に任命し、配慮を見せています。辞任ドミノによって支持率低下を招いたのは、「身内に甘かったからだ」との批判は当然ですが、派閥内の人間関係や周辺への気遣いで、対応が遅れたとも考えられます。

株式投資の世界では、資産を増やすのは勿論ですが、損失を上手くコントロールする行為も重要とされています。保有株が下落して損失が出た時に、更に拡大する可能性がある場合は、早めに売却をすれば被害を最小限に抑えられます。会社の事業も新規立ち上げよりも撤退の方が難しいといわれます。事態が修復不能になる前に見極め、最善策を検討する方が得策ということでしょう。

日本リック株式会社
代表取締役 日高一隆

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