指導者として

最近のアメリカにおけるトランプ大統領の動向を見ると、これまで以上に、国際法や国際秩序を軽視するかのような発言や、力で他国を威圧・攻撃する場面が増えているように思います。

影響力の大きい超大国の指導者ですから、その一言や一つの行動が世界に与える影響は計り知れません。権威主義的な国々に、力による現状変更を正当化する誤ったメッセージを与えかねません。本来の「強さ」とは、相手を威圧することではなく、対立をエスカレートさせない冷静さや、自制を選ぶ覚悟にあるのではないでしょうか。

トランプ大統領の仲裁があったものの、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルを巡る紛争は、未だ終わる兆しが見えません。戦闘の映像や民間人の犠牲が、日常のニュースとして淡々と流れる現実に、強い違和感を覚えます。かつては衝撃として受け止めていた光景が、いつの間にか「いつものニュース」になってしまっていること自体、非常に危うい状況ではないでしょうか。

なぜ指導者たちは、自らは安全な場所に身を置いたまま、他国はもちろん、自国民までも命の危険にさらす決断ができるのでしょうか。指導者にとっては、国家・正義・歴史・大義――そうした言葉が、時として国民を納得させる力を持つと考えて使っているのでしょうか。しかし、その裏側で失われていくのは、一人ひとりの命であり、昨日まで当たり前だった平穏な暮らしです。自分の目指す野望や戦略の話に置き換えられた瞬間、人の痛みが見えなくなってしまうのではないかと感じます。

私たち多くの民間企業は、軍事に関与する立場にはありません。しかし、企業活動を安心して行うための前提条件として「平和」は、国が最低限保障してくれなくては成り立ちません。人が安心して働き、暮らし、将来を思い描くことができなければ、経済も社会も健全に回りません。平和は理想論ではなく、極めて現実的な社会基盤なのです。

日本は、過去の歴史や多くの先人の犠牲の上に現在の平穏を築いてきました。その重みを忘れず、私たちは、平和を「当たり前」と思わない姿勢を持ち続ける必要があると感じます。

人材ビジネスや介護事業に携わる私たちの仕事は、「人の生活」を支えることにあります。だからこそ、平和を願い、命の重みを忘れず、人に寄り添う社会を守りたいという思いを、これからも大切にしていきたいと考えています。

日本リック株式会社
代表取締役 日高一隆

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