耐雪梅花麗

先月は新年度のスタートにも関わらず、不本意ながら「新型コロナウイルス」についてコラムにしました。1ヶ月が経過する間に、「緊急事態宣言」が発令されて、一層ヒト・モノの移動が厳しく制限され、よりコロナ一色となりました。

介護事業者としては、現場がひっ迫し職員全員が厳しい状況下での業務となっておりますが、利用者の皆様方の要望に出来るだけ応えるために、危機管理を徹底して運営にあたって参ります。

明るいニュースが少ないのですが、多くの企業で10年以上前から検討されていながら、なかなか実現に至らなかった「テレワーク」が浸透したことは、不幸中の幸いだったのではないでしょうか。多くの業務が対面を前提としていたため、長きに渡り導入に至りませんでしたが、現在では、在宅勤務によって業務を止めず、いかに同様のパフォーマンスを維持できるかが問われる状況になりました。一気に導入が進んだため、まだ意識の変化が追い付いておらず、仕事のやり方については更なる工夫が必要となるでしょうが、はじめてみると現場の混乱は少ないように感じます。

テレワークの広がりが、コロナ終焉後に更に多くの人が労働市場に参加できるきっかけになればと思います。「ビデオ会議」、「オンライン学習」や「キャッシュレス」も進みデジタル革命が更に加速するのではないでしょうか。ハードルは高いものの学校の始業や入学時期を世界標準の9月に移行する検討も始まり、社会システムを変える機会にもなっています。

暗い話ばかり考えても精神的に良くないので、出来る範囲内で前向きに生活をしていくしかありません。最近はマラソン大会に参加していませんが、ランニングは継続しています。こういった状況ですので、走るのは、休日でも出来るだけ人の少ない早朝。この時期は湿度も低く気温も10℃前後と最高のコンディションです。朝から走ることで一日を有効に使えるのはもちろん、マスクを着用してのランニングは結構キツく、トレーニング効果が上がるような気がしています。ゴルフ場は自粛要請の対象外ですが、個人的に自粛しています。家族全員外出を控えていますので、一緒に過ごす時間がかなり増えました。

国連事務総長が「第二次世界大戦以来の最大の試練」と表現しましたが、以前のリーマンショックの際は100年に一度の経済危機などと言われました。企業が平時において感染症に備えることはなかなか出来ませんが、想定外の事態は数年サイクルで起こりうるものとして、事業基盤を強固にしておくのは企業存続の為には必須だと感じます。暫くは企業活動や普段の生活も耐え忍ぶ期間が続くでしょうが、一度縮んだことで大きく飛躍できるように希望を持って将来に向かっていきたいものです。

西郷隆盛の漢詩の一節
耐雪梅花麗 - 雪に耐えて梅花(ばいか)麗(うるわ)し
経霜楓葉丹 - 霜を経て楓葉(ふうよう)丹(あか)し

日本リック株式会社
代表取締役 日高一隆

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