道徳経済合一

7年前の「社長のブログ」(当時)で、戦国時代の武将、「石田三成」を題材にしたことがあります。近年では、多少好意的に評価されることもありますが、今でもドラマになると、大概悪役扱いされるパターンが多い武将。特に関ケ原の戦いで、東軍の武将が主人公である場合は、出世の為には手段を選ばない器量の小さい男として描写されます。私は以前から、豊臣家に対する信義の強さを好意的に捉えており、ブログでも、「そんな悪いヤツかな?」なんて感情を持ちます・・・と書いていました。

先日、歴史家・作家の「加未耕三さん」が、日経ビジネスの歴史講座で「石田三成」を取り上げた際に・・・「あまたいる戦国武将の中で、ビジネスパーソンに人気なのが、意外や石田三成です。特に経営者層に人気が高い・・・」と書いており、私の長年の石田三成評に多少、気が晴れました。

その「石田三成」の盟友であった「大谷吉縦-信義を貫いた仁将-(野村敏雄著)」を読んでいます。共に豊臣家に仕えたため、主君、豊臣秀吉と共に、三成も頻繁に登場します。二人は同郷で近江(現在の滋賀県)の出身、近江商人発祥の地です。彼らが商売で信頼を得るために大切にしてきたのが、「買い手よし、売り手よし、世間よし」という「三方よし」の精神でした。この精神を「クライアント企業」「派遣スタッフ」「業界」に例えて座右の銘にしている人材ビジネス企業も多くあります。自社の利益だけを考えるのではなく、関わる人々に充分な満足を与えるくらいの心構えで取り組む・・・そんな姿勢で事業を推進すれば、その企業は自然と徳と積むことができ、社会的信用も高まり、引いては事業の継続・拡大に繋がる。社会やステークホルダーに必要なツールになればその企業は生き残れます。

大河ドラマで主人公となった日本資本主義の父「渋沢栄一」を題材に書かせていただいたこともありました。渋沢の提唱した「道徳経済合一説」は、私の好きな言葉の一つです。

人材ビジネスだけでなく介護事業者の「三方」も、「利用者」・「ヘルパー」・「業界(人)」と全て「人」です。社員も含め「四方よし」の精神のもと、我々「人材」をキーワードに事業展開をする企業として、信頼関係を強固にし、社会のニーズを的確に捉え、働く人が能力を最大限発揮できるような環境を考え、多くの人達が活躍できる企業でありたいと思います。

日本リック株式会社
代表取締役 日高一隆

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