先週、義理母の一周忌法要を執り行いました。菩提寺が遠方で、義理父が高齢ということもあり、自宅近くの同宗派の寺院にお願いしました。2年以上にわたるコロナ禍で、冠婚葬祭、特に葬儀の形態は大きく変化したと感じています。
以前は、全部ではないものの、通夜・告別式は、故人のために出来る限り参列人数を多く、盛大に、という風潮がありました。超高齢化社会と核家族化に今回の感染症が重なり、一気に葬式の簡素化が進みました。更には、墓の継承者が不在になる世帯も多く、永代供養の増加や小規模化は、このまま定着するのではないでしょうか?
執り行う寺院活動にも大きな変化が起きており、一部ではWEB会議システムを利用したリモート法要に取り組む寺院もあったようです。それが定着するかどうかは判りませんが、「人間の死」という従来は厳粛に、伝統を重視する儀式でさえも転換期を迎えています。別の側面では、コロナ前、法事を含め、冠婚葬祭は親族が集まる機会でもありました。私の母親は22年前に亡くなっていますが、兄弟は皆静岡に住んでいることもあり、法事や甥・姪の結婚式は、お盆や正月以外で兄弟家族がリアルで集まる数少ない機会でもありました。
今、企業はウィズコロナの時代を迎え、リモート・リアルで対応が分かれています。東京商工リサーチ6月度の調査によると、「リモートワークを取りやめた」・「一度も実施していない」企業は70%を超え、大企業でも、ホンダは「週5日出社」を発表しました。一方、NTTグループは今後もリモートワークを基本とする制度を導入、米グーグル社は出社と在宅を組み合わせるハイブリッド型に移行しています。
しかしながら、企業にとって重要なのは、単純にリモートをどうするかの問題ではなく、全ての人が働きやすい環境を作る事ではないでしょうか?より多くの人に労働参加して貰うためには、「育児」や「介護」等、個々の事情に併せ「仕事」を両立できる体制を備えておくべきです。
我々の事業領域では、「介護事業者」として感染者の拡大を最小限に留めておくために、事業所間のリモートの活用は必須となりました。一方で業務を進めていく中で、リモートはコミュニケーションという点では、物足りなさを感じる場面も多くあります。
当社では、スタッフの皆様の登録や介護事業所の会議は「リモート」を活用し、社員は一部を除き原則「出社」にしています。しかしながら、個々の生活に変化があった場合に備え、様々な環境を提供できる体制は維持したいと思います。画一的な運営ではなく、DEI・寛容性に富んだ企業活動を目指していきます。
日本リック株式会社
代表取締役 日高一隆