アップスキリング

先月、「セミナーデー」を実施しました。介護事業部は感染症の拡大が終息していないこともあり10月にオンラインで実施することにしましたが、人材ビジネス部門は担当職種別に業務上のスキルアップを目的とした研修を4回にわたり実施しました。

岸田政権は日本の社会人に向けて「リスキリング」の必要性を毎日のように提唱しています。人口減少が続く日本は、国内需要の減少による経済規模の縮小、海外からの投資先としての魅力低下による国際競争力の低下に社会保障費用の拡大等による財政危機など、様々な社会的・経済的な課題が深刻化しています。その中で政府が支援するリスキリング事業は成熟産業から成長産業に労働移動を促すため、新しい職業に就くための必要なスキルの取得に向けての取り組みで転職支援までを一体的に考えた研修制度です。

一方、企業内で実施するリスキリングは、AI・IoTの活用が進展し、既存の仕事の在り方が変化を続ける中で、社員一人ひとりが新しいスキルを取得することで、社内に新しいアイデアが生まれ、業務改善・生産性の向上を期待した「アップスキリング」です。いずれにしても働く人が成長すれば、経済活動の効率化により生産性が高まり、企業は組織力が向上することで人口減少による社会課題の緩和に繋がります。

また当社の場合、数年に渡り派遣先で就業する正社員採用を積極的に推進したため、社外で勤務する社員が多数在籍するようになりました。介護事業所も新規開設を進めたことで18拠点となり、通常業務では社員同士顔を合わせる機会が少なくなりました。セミナーデーは、業務上のスキルアップが目的であるのは勿論ですが、異なる勤務地の社員が会することができる数少ない機会でもあります。社員同士が集まって情報交換をして、一体感を持って事業運営する機会と考えています。

当社は人材ビジネス企業として創業して今年で40期、介護事業者として第20期を迎え、確固たる企業文化を確立してきました。しかしながら一方では、長期にわたり事業を継続したことにより経験値が高くなると、先入観や習慣的な作業が多くなり、新しいことへチャレンジする意識が薄れてしまう弊害も持ち合わせています。

技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、業務上で必要とされる知識も変化しています。リスキリングがきっかけとなり新たな思考が生まれて実践を続けることが企業の成長にも繋がります。良い企業文化を持った上で、社員一人ひとりがチャレンジ精神を持ち成長を続ける組織でありたいと考えます。

日本リック株式会社
代表取締役 日高一隆

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